自社の純資産や売り上げ債権を基準にした与信限度額

与信限度額の設定で重要なことは、最低限必要であり安全な範囲内になることです。最低限必要といった部分については、慎重になり過ぎてしまって限度額を低く設定すると売り上げが見込めずに経営が困難になるので、これを回避できる金額であり、かつ安全な範囲での設定が求められるといった意味が含まれます。逆に、売り上げをより多く得る目的で限度額を高くしてしまえば、会社の体力がそれに追いつかなくなるので、これについては注意が必要になります。基本的に、与信限度額は会社経営に必要な額であると同時に、製品などを提供し続けることができる会社の体力に見合う範囲であることが求められますが、ここでは数ある与信限度額の設定方法の中から自社の純資産を基準にする方法と自社の売り上げ債権を基準にする2つのやり方について解説します。

自社の純資産を基準する方法での留意点は、債権回収ができないときでも一定水準までであれば耐えられる範囲内にすることがポイントです。一方、自社の売り上げ債権を基準にする方法は売掛金や受取手形の代金を受け取る権利をベースにしたものです。売り上げ債権は権利になるので、直ぐに現金にはならないことを把握しておきましょう。仮に、売り上げがある程度あって帳簿上での利益はあるけれども倒産する黒字倒産は、売り上げ債権管理が上手にできていないことが要因とされますので、売り上げ債権の回収ができない状態でも耐えることができる範囲内で考えること、そして売り上げ債権と手元の現金のバランスを上手にコントロールすることがポイントになって来ます。

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